相続財産の評価は「下げられる」?資産別の正しい計算方法とFPが教える評価減のテクニック【2025年最新版】

「相続税、一体いくらかかるんだろう?」と不安になり、電卓を片手にこのページを開いたあなた。その不安、本当によくわかります。
現金ならまだしも、土地や株、保険となると、「評価方法」なんて難しい言葉が出てきて、頭が痛くなってしまいますよね。
でも、安心してください。相続財産の評価には明確な「ルール」があり、これを正しく使いこなすことで、資産の評価額を合法的に下げ、納める税金を数百万円単位で抑えられる可能性があります。
特に、2024年からの税制改正(生前贈与の加算期間が7年に延長など)により、最新の知識がないと「思わぬ増税」になってしまうリスクも高まっています。
この記事では、数多くの相続案件で資産を守ってきたFPの視点から、複雑な財産評価の計算式をどこよりもわかりやすく解説します。
単なる計算方法だけでなく、「土地の形による減額補正」や「最新の贈与ルール」など、プロだけが知るテクニックも包み隠さずお伝えします。まずは深呼吸して、あなたの大切な資産を正しく把握することから始めましょう。
【早見表】一目でわかる!資産別・相続税評価額の決まり方
まずはじめに、全体像を把握しましょう。相続財産と一口に言っても、現金、土地、株など、資産の種類によって「評価のものさし」は全く異なります。
読者の皆様が一番知りたいのは、「結局、いくらで計算されるのか?」という点だと思います。以下の早見表で、主要な資産の評価ルールをざっくりと頭に入れてください。
詳細な計算方法は後ほどの章で一つずつ解説しますが、まずはこの表でイメージを掴むことが、失敗しない相続準備の第一歩です。
| 資産の種類 | 評価方法の基本(ものさし) | 評価額の目安(対時価) | 特記事項・注意点 |
| 現金・預貯金 | 残高そのもの | 100% | 亡くなった日(課税時期)の残高+既経過利息。「名義預金」の判定に注意。 |
| 土地(市街地) | 路線価方式 | 約80% | 道路につけられた価格×面積。「小規模宅地等の特例」で最大80%減額可能。 |
| 土地(郊外など) | 倍率方式 | 約70% | 固定資産税評価額×国税庁が定めた倍率。 |
| 家屋(建物) | 固定資産税評価額 | 約70% | 建築費ではなく、固定資産税の通知書の額。貸家にしていると約30%下がる。 |
| 上場株式 | 4つの価格のうち最低値 | 変動あり | 課税時期の終値、当月・前月・前々月の月平均額の中で最も低いものを選べる。 |
| 生命保険 | 受取金額-非課税枠 | 圧縮効果大 | 「500万円×法定相続人の数」までは税金がかからない(非課税)。 |
このように見比べると、「現金」は額面通り(100%)で評価されるのに対し、「不動産」や「生命保険」は時価よりも低く評価される仕組みがあることに気づくはずです。これが、世の中で「相続対策には不動産や保険が有効」と言われる最大の理由です。
次章からは、なぜこのような「ズレ」が起きるのか、その仕組みを深掘りしていきましょう。
なぜ「相続財産の評価」が重要なのか?時価と相続税評価額の違い
基本ルール:「時価」と「相続税評価額」のズレが節税のカギ

「父が残した実家、不動産屋に聞いたら5,000万円で売れるらしい。じゃあ、相続税も5,000万円に対してかかるの?」
相続の相談を受けていると、こうした質問をよくいただきます。結論から申し上げますと、答えは「No」です。
おそらく、相続税の計算上の評価額はもっと安く、例えば3,500万円〜4,000万円程度になるケースが多いでしょう。
ここに、相続税対策の最大のポイントである「時価(実勢価格)」と「相続税評価額」のズレが存在します。
- 時価(実勢価格): 実際に市場で売買される価格。
- 相続税評価額: 国税庁が定めたルール(財産評価基本通達)に基づいて計算した価格。相続税の申告で使うのはこちらです。
なぜ、わざわざ別の価格を使うのでしょうか?
それは、「時価」は常に変動しており、人によって判断が分かれるからです。「急いで売りたいから安く売る」こともあれば、「どうしても欲しいから高く買う」こともあります。これでは公平な課税ができません。
そこで国は、誰もが同じ基準で計算できるように「相続税評価額」というルールを定めています。そして、この評価額は、納税者の負担を考慮して、時価よりも低く設定されている(安全率が見込まれている)ことがほとんどなのです。
評価額が下がれば相続税も下がる!評価減の仕組みを理解しよう
つまり、遺産の評価額を下げることができれば、ダイレクトに相続税を減らすことができます。
例えば、手元に「1億円の現金」があるとします。
そのまま相続すれば、評価額は1億円です。
しかし、この1億円で「賃貸マンション」を購入したとしましょう。するとどうなるでしょうか?
- 現金の消滅: 1億円の現金はなくなります。
- 不動産の取得: 代わりに1億円相当の不動産が手に入ります。
- 評価替え: 土地と建物になりますが、相続税評価額のルールにより、土地は約8割、建物は約7割の評価になります。さらに「人に貸している(貸家建付地・貸家)」という事情が加わると、評価はさらに下がります。
結果として、時価1億円の価値を持つマンションの相続税評価額は、約4,000万円〜5,000万円程度まで下がることも珍しくありません。
「価値(時価)」は1億円のまま維持しつつ、税金の計算に使う「評価額」だけを半分以下にする。これが、富裕層がこぞって実践している「資産の組み替え」による評価減テクニックの正体です。
しかし、このテクニックを使うには、まず「各資産がどのように評価されるのか」を正しく理解していなければなりません。間違った知識で対策をすると、税務署から否認され、ペナルティを課されるリスクもあります。
次のセクションからは、いよいよ具体的な「資産ごとの計算方法」について、FPの視点で詳しく解説していきます。電卓の準備はよろしいですか?
【資産別】相続財産の正しい評価方法を完全ガイド
ここからは、いよいよ具体的な計算方法に入ります。「すべてを完璧に覚える」必要はありません。ご自身の資産状況に合わせて、必要な項目を重点的にチェックしてください。
【現金・預貯金】シンプルだが落とし穴も。「名義預金」と「手許現金」
結論:残高証明書だけでは不十分なケースがある
現金や預貯金は、原則として「亡くなった日(相続開始日)時点の残高」がそのまま評価額になります。非常にシンプルですが、実は税務調査で最も指摘を受けやすいのがこの項目です。なぜなら、「見えない現金」の計上漏れが多いからです。
理由:家族名義の口座も「実質的な所有者」で判断される
注意すべきは以下の2点です。
- 名義預金(めいぎよきん):
亡くなった方の収入を原資として、配偶者や子供、孫の名義で作った口座のことです。通帳や印鑑を亡くなった方が管理していた場合、名義は家族でも「実質的には亡くなった方の財産」とみなされ、相続財産に含める必要があります。これを漏らすと、高い確率で追徴課税の対象になります。 - 手許現金(てもとげんきん):
財布の中身、タンス預金、亡くなる直前に引き出したが入院費等に使わず手元に残っていた現金も、すべて「現金」として計上します。「少額だからバレないだろう」は通用しません。過去の出金履歴から必ずチェックされます。
既経過利息の取り扱い
厳密な評価には、定期預金などの「既経過利息(解約したとしたら支払われる利息)」も計算に入れ、源泉所得税を差し引いた額を残高に加算します。ただし、少額であれば実務上は省略されることもありますが、原則は「利息も財産」であることを覚えておきましょう。
【不動産(土地)】最も差が出る!路線価方式と倍率方式
場所によって「計算式」が2種類に分かれる
土地の評価は、その土地が「市街地」にあるか「郊外」にあるかで計算方法がガラリと変わります。まずは国税庁のサイトで「路線価図」を見て、自分の土地に数字が書かれているか確認しましょう。
理由1:路線価方式(市街地)
主要な市街地にある土地は、道路ごとに値段(路線価)が付けられています。
- 計算式:路線価 × 土地の面積(㎡)
- 例:路線価が「300C」と書かれた道路に面している100㎡の土地
- 300(千円)× 100㎡ = 3,000万円
- ※「C」は借地権割合を示しますが、自用地(自分の土地)の場合は無視してOKです。
理由2:倍率方式(郊外・農村部)
路線価が設定されていないエリアでは、固定資産税評価額をベースにします。
- 計算式:固定資産税評価額 × 評価倍率
- 評価倍率は地域や地目(宅地、田、畑など)ごとに国税庁が定めています。例えば固定資産税評価額が1,000万円で倍率が1.1倍なら、評価額は1,100万円になります。
なぜ不動産は評価が下がるのか
土地の相続税評価額(路線価)は、地価公示価格(時価の目安)の約80%を目安に設定されています。これは、土地は現金と違ってすぐに換金できないリスクや、精通者意見価格等の変動幅を考慮しているためです。この「20%の差」が、現金で持つよりも有利と言われる最大の理由です。
【不動産(家屋)】固定資産税評価額を見るだけでは不十分?
固定資産税の通知書が「答え」だが、貸家はさらに下がる
建物の評価はシンプルです。毎年春頃に役所から届く「固定資産税 課税明細書」に記載されている「価格(評価額)」が、そのまま相続税評価額になります。「建築費」や「購入価格」ではない点に注意してください。
人に貸している建物は自由に使えないから
もし、アパートやマンションを一棟丸ごと所有して人に貸している場合、あるいは自宅の一部を賃貸している場合は、そこからさらに約30%(借家権割合)を差し引くことができます。
- 貸家の計算式:固定資産税評価額 ×(1 - 30%)
- 例:評価額1,000万円の貸家 → 700万円で評価
権利の制約による減額
入居者がいる建物は、オーナーといえども勝手に取り壊したり立ち退かせたりできません。その「不自由さ(権利の制約)」を価格に反映させて安く評価してくれるのです。
【有価証券(株式)】暴落しても安心?「4つの価格」の選定ルール
4つの価格の中で「一番低いもの」を選んで良い
上場株式は日々価格が変動するため、いつの価格を使うかが重要です。国税庁は納税者に有利になるよう、以下の4つのうち最も低い価格を選んで評価することを認めています。
- 課税時期(亡くなった日)の終値
- 課税時期の属する月の、毎日の終値の月平均額
- 課税時期の前月の、毎日の終値の月平均額
- 課税時期の前々月の、毎日の終値の月平均額
たまたま高騰・暴落した日の価格で損をさせないため
例えば、亡くなった日にたまたま株価が急騰していたとしても、前月や前々月の平均が低ければそちらを採用できます。逆に、亡くなった後に暴落しても、過去の平均値が高ければ高い方で計算されるわけではないので安心してください。
投資信託の場合
投資信託は少し特殊で、「課税時期の基準価額」から、その日に解約した場合にかかる「信託財産留保額(解約手数料のようなもの)」や税金を引いた金額で評価します。上場株式のような「月平均」のルールは適用されないので注意が必要です。
【生命保険】「みなし相続財産」としての特殊な評価
現金で残すより圧倒的に有利な「非課税枠」がある
死亡保険金は、受取人固有の財産ですが、税制上は「みなし相続財産」として相続税の対象になります。しかし、残された家族の生活保障という性質があるため、強力な非課税枠が用意されています。
500万円 × 法定相続人の数
この計算式で算出された金額までは、相続税がかかりません。
- 例:妻と子供2人が相続人の場合
- 500万円 × 3人 = 1,500万円
- もし1,500万円の死亡保険金を受け取っても、評価額は「0円」です。
現金を保険に変えるメリット
同じ1,500万円を「現金」で持っていたら、評価額は1,500万円です。しかし、一時払終身保険などに加入して「保険金」として受け取れば、評価額は0円になります。資産価値は同じなのに、税金の計算上だけ消えてなくなる。これが、相続対策の基本中の基本と呼ばれるテクニックです。
FPが教える!土地の評価をさらに下げる「補正率」の魔術
教科書通りの「路線価 × 面積」だけで計算を終わらせていませんか? もしそうなら、数百万円も損をしているかもしれません。
実は、路線価方式で算出される価格は「正方形で、平坦で、使い勝手の良い理想的な土地」を前提としています。しかし、実際の土地は形がいびつだったり、入り口が狭かったりと、何らかの「欠点」があるものです。
この「欠点」を価格に反映させ、評価額を下げる係数のことを「補正率(ほせいりつ)」と呼びます。私たち専門家は、現場でこの補正率を徹底的に拾い上げます。
使いにくい土地は「安く」評価される
土地の形状や環境にマイナス要素があればあるほど、評価額は下がります。
代表的な3つの「減額要因」
ご自宅の土地が以下に当てはまらないかチェックしてください。これらを適用することで、評価額が10%〜30%近く下がることもあります。
1. 形がいびつ(不整形地補正)
綺麗な四角形ではなく、三角形やL字型、旗竿地(道路に接する通路が細長い土地)などは、家を建てにくいため評価が下がります。
- 計算イメージ:基本の評価額 × 不整形地補正率(例:0.90)
2. 間口が狭い(間口狭小補正)
道路に接している幅(間口)が狭いと、車の出し入れが不便なため評価が下がります。一般的に間口が8メートル未満(地区による)の場合に対象となります。
3. 奥行きが長すぎる・短すぎる(奥行価格補正)
「うなぎの寝床」のように細長い土地や、逆に奥行きが極端に浅い土地も使い勝手が悪いため、減額の対象です。
最大80%減額!最強の特例「小規模宅地等の特例」
- 【計算例】
- 土地の自用地評価額:5,000万円
- 特例適用後:5,000万円 ×(1 - 0.8)= 1,000万円
この特例が使えるかどうかで、相続税が0円になるか数百万円になるかが決まると言っても過言ではありません。適用要件は複雑ですので、必ず専門家に確認しましょう。
【2024年改正対応】生前贈与と評価額の注意点
相続対策として「生前贈与(生きているうちに現金を渡すこと)」を検討している方も多いでしょう。しかし、ここは税制改正のホットスポットです。古い知識のままだと、対策のつもりが「無意味」になってしまう可能性があります。
亡くなる直前の贈与は「なかったこと」にされる
「相続税がかかりそうだから、慌てて子供にお金を移そう」。こう考えるのを防ぐために、亡くなる直前に贈与された財産は、相続財産に足し戻して計算するルールがあります。これを「生前贈与加算(持ち戻し)」と言います。
持ち戻し期間が「3年」から「7年」へ延長
これまで、持ち戻しの対象期間は「亡くなる前3年以内」でした。しかし、2024年(令和6年)1月1日以降の贈与から、この期間が段階的に「亡くなる前7年以内」へと延長されました。
- 改正前: 死去の3年前までの贈与が相続財産に加算される
- 改正後: 死去の7年前までの贈与が相続財産に加算される
- ※延長された4年分については、総額100万円までは加算しなくて良いという緩和措置があります。
早い段階からの対策が必須に
この改正により、「亡くなる直前の駆け込み贈与」の効果は薄れました。評価額を下げ、資産を次世代に確実に移すためには、7年以上の長期スパンを見据えた計画的な贈与、あるいは持ち戻し対象外となる「教育資金の一括贈与」や「結婚・子育て資金の一括贈与」などの特例活用が重要になっています。
自分で計算するのは危険?専門家に任せるべき判断基準
ここまで評価方法をお伝えしてきましたが、ご自身で申告まで行うのはハードルが高いのが現実です。以下のようなケースでは、無理をせず税理士やFPなどの専門家に依頼することを強くおすすめします。
1. 土地の形状が複雑、または「広大地」である
先ほど紹介した「補正率」の計算は、測量図を読み解く専門知識が必要です。また、500平方メートルを超えるような広い土地(地積規模の大きな宅地の評価)は、計算が非常に複雑ですが、正しく評価できれば大幅な減額が可能です。素人判断で高く申告してしまうのはもったいなさすぎます。
2. 非上場株式(自社株)を保有している
ご自身や親が会社の経営者である場合、その「自社株」の評価は最難関です。会社の資産、負債、利益、類似業種の株価などを複合的に計算する必要があり、税理士でも相続専門でないと間違えることがあるレベルです。
3. 二次相続まで見据えた対策が必要な場合
「とりあえずお母さんが全部相続すれば、配偶者の税額軽減で税金はゼロになる」。これは事実ですが、その次に配偶者(お母さん)が亡くなった時(二次相続)に、子供たちに巨額の相続税がかかるケースが多発しています。
「一次相続でどう分けるか」が、将来の税額を決定づけます。親子2代にわたるトータルの資産防衛を考えるなら、プロのシミュレーションが不可欠です。
よくある質問とその回答(FAQ)
Q1. 借金や未払いの医療費がある場合、評価額から引けますか?
はい、引くことができます。亡くなった方の借入金(住宅ローンなど)や、亡くなった後に支払った入院費・治療費は「債務控除」として、遺産の総額からマイナスできます。また、お通夜や告別式にかかった費用も控除の対象です。ただし、香典返しや法要の費用、お墓の購入費用などは引くことができません。領収書は必ず保管しておきましょう。
Q2. 亡くなる直前にATMから引き出した現金はどう評価されますか?
引き出した現金も、使い切っていなければ相続財産として評価されます。銀行口座の残高は減っていますが、その分が「手許現金(てもとげんきん)」という形で残っているとみなされるからです。もし、その現金を入院費や葬儀費用に使った場合は、領収書と突き合わせて使途を明確にしておく必要があります。使途不明金は税務調査で厳しく追及されます。
Q3. 親の乗っていた車や、家財道具、貴金属はどうやって評価しますか?
車は、中古車買い取り業者などの査定額(買取価格)で評価します。インターネットでの簡易査定などを利用して記録を残しましょう。家具や家電などの家財道具は、一つずつ計算するのが難しいため、通常は「家財一式」として、例えば10万円〜数十万円程度でまとめて計上することが実務上は多いです。ただし、骨董品や高価な貴金属で、一個で5万円を超えるようなものは個別に鑑定評価が必要です。
Q4. 生前に買った仏壇やお墓は相続財産に含まれますか?
いいえ、含まれません。仏壇、仏具、お墓などは「祭祀(さいし)財産」と呼ばれ、相続税がかからない非課税財産です。そのため、相続対策として生前に高価な仏壇やお墓を購入し、現金を減らしておくことは有効な手段の一つです。ただし、純金の仏像など、骨董品や投資対象としての価値が高いとみなされるものは、課税対象になる場合があるので注意が必要です。
Q5. 評価額の計算を間違えて、少なく申告したらどうなりますか?
税務署からの指摘で修正申告を行う場合、本来納めるべき税金に加えて「過少申告加算税(原則10%〜15%)」がかかります。さらに、納付が遅れた日数分の「延滞税」も支払わなければなりません。もし、意図的に財産を隠したと判断されると、最大40%という非常に重い「重加算税」が課されます。少しでも不安な点は、申告前に専門家に相談するのが鉄則です。
まとめ:正しい評価方法を知ることが「資産を守る」第一歩
資産の種類によって「評価のものさし」は全く異なる
相続財産の評価は「時価」とは限りません。現金は額面通りですが、不動産は路線価や固定資産税評価額などを使い、時価の7〜8割程度に評価されるのが一般的です。この「評価のズレ」を正しく理解し、資産構成を現金から不動産などに組み替えることが、合法的な節税対策の基本となります。
土地の評価は「補正率」と「特例」で劇的に下がる
土地は単に面積だけでなく、形状の悪さや使い勝手の悪さを反映して減額(補正)できる場合があります。さらに、「小規模宅地等の特例」を使えば、自宅の土地などは最大80%も評価額を下げられます。これらを適用し忘れると数百万円単位で損をするため、必ずチェックしましょう。
上場株式や投資信託は「いつの価格」を使うかが重要
上場株式は「亡くなった日の終値」だけでなく、「当月・前月・前々月の月平均額」と比較して、最も低い価格を採用できます。相場変動の影響を緩和できる納税者に有利なルールです。一方、投資信託は解約手数料などを引いた金額で評価されるなど、金融商品ごとに計算ルールが異なります。
2024年からの税制改正で「生前贈与」のルールが激変した
相続税対策の王道だった生前贈与ですが、亡くなる前の持ち戻し期間が「3年」から「7年」に延長されました。これにより、亡くなる直前の駆け込み贈与の効果は薄れています。今後は、より早い段階から計画的に贈与を行うか、特例をうまく活用する長期視点が必要です。
自分で判断できない複雑なケースは専門家の力を借りる
「不整形地」「広大地」「非上場株式」などの評価は非常に専門性が高く、素人判断は危険です。また、一次相続だけでなく二次相続まで見据えたトータルな対策は、経験豊富な税理士やFPのシミュレーションが不可欠です。安心料と考え、プロの手を借りることを強くおすすめします。