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【2025最新】相続登記の義務化、過去の分はいつまで?罰則・費用・必要書類をFPが完全解説

【2025最新】相続登記の義務化、過去の分はいつまで?罰則・費用・必要書類をFPが完全解説

「実家の名義、もしかして亡くなったお祖父ちゃんのまま…?」

「ニュースで『義務化』って聞いたけど、ウチは大丈夫かな?」

そんな不安を抱えて検索してくださったあなたへ。

実は今、あなたと同じように「過去の相続」について焦りを感じている方が急増しています。

特に2025年の現在は、制度開始から時間が経ち、過去の相続に対する経過措置の期限(2027年3月)が現実味を帯びて迫ってきている時期だからです。

相続登記の義務化は、放置すれば「10万円以下の過料」というペナルティがある厳しい制度です。しかし、裏を返せば、これまで「なんとなく」先送りにしてきた親子の将来について、堂々と話し合う絶好のチャンスでもあります。

この記事では、法律用語を極力使わず、「今すぐやるべきこと」と「費用の目安」をわかりやすく整理しました。

読み終える頃には、「なんだ、これならできる!」と肩の荷が下りているはずです。一緒に一つずつ確認していきましょう。

目次

【2025年現在】相続登記の義務化とは?3分でわかる重要ポイント

【2025年現在】相続登記の義務化とは?3分でわかる重要ポイント

まず最初に、最も重要な結論をお伝えします。

2024年4月1日から始まった「相続登記の義務化」により、「不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記申請をしなければならない」という明確な法的義務が課されました。

これまでは「いつかやればいい」で済まされていた手続きが、今は「必ずやらなければならない」手続きへと変わっています。

なぜこれほど厳しいルール変更が行われたのか、そして具体的にどのようなペナルティがあるのか、基本をサクッと押さえておきましょう。

なぜ今?「所有者不明土地問題」と義務化の背景

持ち主がわからない土地が九州本島の面積を超えてしまったからです。

これまで相続登記は任意(義務ではない)だったため、世代を超えて名義変更されないまま放置される土地が増え続けました。その結果、所有者が誰かわからない、あるいは連絡がつかない土地(所有者不明土地)が、なんと国土の約22%にも達してしまったのです。

この面積は「九州本島」よりも広いと推計されています。

これだけの広さの土地が、所有者不明のために

「復興工事が進まない」

「空き家の管理ができず倒壊の危険がある」

「土地の売買ができず経済損失になる」

といった深刻な社会問題を引き起こしていました。国はこの状況を打破するために、民法と不動産登記法を改正し、歴史的な「義務化」へと舵を切ったのです。

【最重要】いつまでに?「取得を知ってから3年」の鉄則

原則として「相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内」が期限です。

ここで大切なのは、「親が亡くなった日(相続開始日)」から自動的にカウントダウンが始まるわけではない、という点です。

条文上は「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日」とされています。

つまり、「親が亡くなったことを知り」、さらに「自分がその不動産を相続することになったと知った日」がスタート地点です。

具体的には、以下のようなケースで期限のカウントが異なります。

  • 遺言書がある場合: 相続開始を知り、遺言の内容(自分が不動産をもらうこと)を知った日から3年以内。
  • 遺産分割協議をする場合: 話し合いがまとまり、誰が不動産を継ぐか決まった日(遺産分割成立の日)から3年以内。

※ただし、このあと詳しく解説する「2024年4月以前の過去の相続」については、特別な計算ルール(経過措置)が適用されるため注意が必要です。

10万円の過料(罰則)はどんな時にくる?正当な理由とは

正当な理由なく3年を過ぎると、裁判所から「10万円以下の過料」を通知される可能性があります。

「過料(かりょう)」とは、行政上のペナルティのことで、前科がつく刑事罰(罰金)とは異なります。しかし、お金を支払わなければならない点では大きな痛手です。

ただし、3年を1日でも過ぎたら即座に請求書が届くわけではありません。

通常は法務局から「期間が過ぎていますよ」という催告(お知らせ)が届き、それでも無視し続けた場合に、法務局から裁判所へ通知がいき、過料の手続きが進むという流れが想定されています。

法務省の通達では、過料を免れる「正当な理由」として以下のようなケースが挙げられています。

  • 相続人が極端に多く、戸籍を集めるのに時間がかかっている場合
  • 遺言書の有効性を巡って裁判で争っている場合
  • 相続人自身が重病などで手続きができない場合
  • 経済的に困窮しており、費用が払えない場合(一定の要件あり)

逆に言えば、「忙しかった」「忘れていた」「面倒だった」という理由は通用しません。法務局からの通知を無視することだけは絶対に避けてください。

放置していた「過去の相続」も対象!期限は2027年3月

放置していた「過去の相続」も対象!期限は2027年3月

「法律が変わったのは2024年でしょ? うちの父が亡くなったのは2020年だから関係ないわよね」

もしそう思っていたら、少し立ち止まってください。

実は今回の法改正で最も衝撃的だったのが、「法律が始まる前(2024年3月以前)の相続もすべて義務化の対象になる(遡及適用)」という点です。

つまり、明治・大正時代の名義のまま放置されている山林も、数年前に亡くなった親の空き家も、すべて平等に「3年ルール」が適用されます。

2024年4月以前の相続物件にかかる「猶予期間(経過措置)」

過去の相続に関しては、「2027年3月31日」が一斉の期限となります。

本来、法律というのは「施行された日以降」に適用されるのが原則です。しかし、今回の目的は「すでに日本中に溢れかえっている所有者不明土地を解消すること」にあります。

そのため、特例として過去の分も全て対象に含めることになりました。

ただし、過去に相続した人に対して「知った日から3年」と言っても、すでに何年も経過しているケースが多いため、不公平にならないよう「猶予期間(経過措置)」が設けられています。

具体的な期限のルールは以下の通りです。

  1. 2024年4月1日以降に相続した場合:「相続を知った日」から3年以内
  2. 2024年4月1日以前に相続していた場合:「義務化の開始日(2024年4月1日)」から3年以内

つまり、過去の相続を放置している方にとってのデッドラインは、計算上「2027年(令和9年)4月1日」となります。実務的には、年度末である2027年3月31日までに申請を完了させるつもりで動くのが安全です。

【注意】「2027年まで待てばいい」は間違い!準備期間の目安

今は2025年12月。期限まであと約1年3ヶ月しかありません。今すぐ動き出してください。

「あと1年以上あるから来年でいいや」と思うかもしれません。しかし、相続の現場を知る私からすると、この期間は「あっという間」です。

特に過去の相続の場合、通常の相続よりも手続きに時間がかかる傾向があります。

なぜなら、年月が経つにつれて相続関係が複雑化していたり、必要な古い戸籍謄本を役所から取り寄せるのに時間がかかったりするからです。

例えば、以下のようなスケジュール感になることがよくあります。

  • 1ヶ月目: 兄弟親戚と連絡を取り、誰が継ぐか話し合う(なかなか繋がらないことも…)
  • 2~3ヶ月目: 全国の役所から戸籍を集める(遠方だと郵送のやり取りで数週間ロス)
  • 4ヶ月目: 遺産分割協議書を作成し、全員の実印をもらう(「やっぱり納得できない」と揉めるリスクあり)
  • 5ヶ月目: やっと法務局へ申請

もし話し合いがこじれれば、1年なんて一瞬で過ぎ去ります。「2026年のお正月やお盆に集まって話そう」と思っていると、もしそこで話がまとまらなかった場合、2027年春の期限に間に合わなくなるリスクが非常に高いのです。

実家・山林・農地…資産価値が低くても登記は逃れられない

「価値がない土地だから国も文句言わないだろう」という考えは通用しません。

義務化の対象は「不動産すべて」です。

都心の一等地であろうと、誰も欲しがらない山奥の原野であろうと、法律上の扱いは変わりません。

むしろ、放置されやすい「価値の低い土地」こそが、今回の法改正のメインターゲットだと言っても過言ではないのです。

「売れない土地にお金をかけて登記したくない」という本音、よく分かります。

しかし、登記を放置して過料(最大10万円)を払うことになれば、それこそ無駄な出費です。

また、登記をしていない土地は、将来的に「相続土地国庫帰属制度(条件を満たせば国に土地を引き取ってもらえる制度)」を利用する際のスタートラインにも立てません。

まずは義務を果たし、名義をはっきりさせた上で、「売る」「貸す」「国に返す」といった次のステップを検討するのが、結果的に最も出費とストレスを抑える近道です。

相続登記にかかる「費用と手間」のリアル

断言しますが、相続登記で一番のハードルは「いくらかかるか分からない恐怖」です。

「何十万円も請求されるんじゃないか」と不安で電話できない…という声をよく聞きます。でも、内訳を知ってしまえば怖くありません。実は、自分でやれば驚くほど安く済むケースも多いのです。

【費用】登録免許税と必要書類の実費(免税措置も解説)

必ずかかるお金は「登録免許税」と「書類代」。土地の価値が低ければ数千円で済むこともあります。

登記をする際、国に納める税金を「登録免許税」と言います。これは「固定資産税評価額 × 0.4%」で計算されます。

例えば、評価額が1,000万円の実家なら約4万円。評価額が50万円の山林なら2,000円です。これに加えて、戸籍謄本や住民票などの取得費用が数千円〜1万円程度かかります。

さらに朗報です。

「価値の低い土地にお金をかけたくない」という声に応え、土地の価額が100万円以下の場合は登録免許税が免税(0円)になる特例措置が設けられています。

この措置は2027年(令和9年)3月31日まで適用されます(2025年度税制改正等による)。まさに今の時期、地方の山林や農地などの登記をするなら、税金はタダになる可能性が高いのです。

※建物は免税の対象外ですのでご注意ください。

【専門家】司法書士に依頼する場合の相場(5万~10万円~)

「時間と安心」を買うなら司法書士へ。報酬相場は6万〜10万円前後が一般的です。

自分でやるのが面倒、あるいは平日昼間に役所へ行けない場合は、登記のプロである「司法書士(しほうしょし)」に依頼することになります。

この場合、先ほどの実費(税金+書類代)にプラスして、司法書士への「報酬(手数料)」がかかります。

日本司法書士会連合会のアンケートや一般的な相場観では、以下が目安です。

  • 実家(土地1筆+建物1棟)の一般的な相続: 6万円〜10万円程度
  • 数次相続(祖父→父→自分など複雑な案件): 10万円〜15万円〜
  • 戸籍収集も全部丸投げプラン: +2〜5万円程度

高いと感じるかもしれませんが、複雑な戸籍を読み解き、法務局とのやり取りを全て代行してくれる手間を考えれば、忙しい現役世代にとっては決して高くない投資と言えるでしょう。

【自分】法務局の相談を活用して自力で行うメリット・デメリット

シンプルな相続なら、実は自分でもできます。「法務局の予約相談」を使い倒しましょう。

以前はプロに頼むのが当たり前でしたが、今は法務局も「自力申請(本人申請)」をサポートする体制を整えています。

メリットはもちろん「報酬分(数万円〜十万円)が浮く」こと。

デメリットは「平日に動く必要がある」「書類に不備があると何度も出し直しになる」ことです。

もしあなたが以下の条件に当てはまるなら、チャレンジする価値は大いにあります。

  1. 相続人が少ない(配偶者と子供だけ、など)
  2. 話し合いがまとまっている(揉めていない)
  3. 平日の日中に時間が取れる(または郵送でのやり取りが苦にならない)

全国の法務局では「登記手続案内(要予約)」を行っています。対面だけでなく電話やWEB会議で対応してくれる局も増えました。

プロに頼むか迷っているなら、まずは一度、管轄の法務局に「自分でやりたいのですが、必要書類を教えてください」と電話してみるのが、最初の一歩としておすすめです。

親子で確認!相続登記の具体的な5ステップ【必要書類付】

親子で確認!相続登記の具体的な5ステップ【必要書類付】

「手続き」と聞くと難しそうですが、やるべきことはシンプルです。「集める→決める→出す」。これだけです。

順を追って見ていきましょう。

STEP

【戸籍収集】誰が相続人か確定する

【結論】亡くなった方の「生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍」を集めます。

ここが最初の難関です。「配偶者と子供だけ」と思っていても、実は「前の奥さんとの間に子供がいた」「認知した子供がいた」というケースが稀にあります。法務局は書類が全てですので、これを証明しないと受け付けてくれません。

必要なのは以下の書類です。

  1. 被相続人(亡くなった人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍)
  2. 相続人全員の現在の戸籍謄本
  3. 被相続人の住民票の除票(本籍地入りのもの)

※2024年3月から、本籍地以外の最寄りの役所でも全国の戸籍が取れる「広域交付制度」が始まりました。以前より格段に楽になっています!

STEP

【財産調査】名寄帳(なよせちょう)で漏れなく確認

「名寄帳(なよせちょう)」を取得して、隠れた資産を洗い出します。

実家の建物と土地だけだと思っていませんか?

意外と多いのが、「家の前の私道(共有持分)」や「遠く離れた山林」の登記漏れです。これらも義務化の対象ですので、申請漏れがあると後で過料の対象になりかねません。

不動産がある市町村の役所で「名寄帳(または固定資産課税台帳)」を請求してください。その人がその市町村内に持っている不動産が一覧で出てきます。固定資産税の通知書には、非課税の土地(道路など)が載っていないことがあるため、必ず名寄帳で確認するのがプロの鉄則です。

STEP

【遺産分割協議】誰が不動産を継ぐか話し合う

全員で話し合い、「遺産分割協議書」を作成して実印を押します。

法定相続分(法律で決まった割合)通りに共有にするなら不要ですが、通常は「長男が実家を継ぐ」といった分け方をします。そのためには「誰が何をもらうか」を記した証明書が必要です。

作成した「遺産分割協議書」には、相続人全員の署名と実印が必要です。あわせて全員の印鑑証明書もセットで用意します。これが「全員が納得した証拠」となります。

STEP

【申請】法務局へ提出(オンライン・郵送可)

管轄の法務局へ書類一式と登録免許税(収入印紙)を提出します。

書類が揃ったら、不動産の所在地を管轄する法務局へ提出します。

窓口に直接行く必要はありません。現在は郵送申請が一般的ですし、マイナンバーカードとカードリーダーがあればオンライン申請も可能です。

提出後、不備がなければ1週間〜2週間程度で完了します。完了後に発行される「登記識別情報通知(昔でいう権利証)」は非常に重要な書類ですので、大切に保管してください。

【新制度】話がまとまらない時の逃げ道「相続人申告登記」

「3年以内に話し合いがまとまらない!」という時は、とりあえずこの手続をすれば罰則を回避できます。

「兄弟の仲が悪くて判子をもらえない」「行方不明の相続人がいる」。

そんな理由で3年の期限を過ぎてしまうと、過料の対象になる恐れがあります。そこで2024年4月から新設されたのが「相続人申告登記」です。

これは、「私は相続人の一人です」と法務局に申告するだけの簡易的な手続きです。

  • メリット: 自分一人で申請できる(他の相続人の協力不要)。これで「義務」は果たしたことになり、過料を免れる。
  • 注意点: あくまで「報告」であり、名義変更ではありません。不動産を売ったりすることはできません。

「期限(2027年3月など)が迫っているのに話がまとまらない!」という緊急時のための一時的な避難場所として覚えておいてください。

義務化をチャンスに。「親子で相続」を話し合うコツ

ここまで手続きや罰則の話をしてきましたが、実は一番難しいのは「書類集め」ではありません。

「親に相続の話を切り出すこと」です。

「親が元気なうちに遺産の話なんて、縁起でもない」「財産を狙っていると思われたくない」。そんな遠慮が、解決を先送りにしてしまう最大の原因です。

しかし、今回の義務化は、その重い扉を開く「絶好の鍵」になります。

「義務化で罰則があるみたいだよ」は親に切り出す魔法の言葉

「あなたの財産が心配」ではなく「法律が変わって大変みたい」という切り口なら、角が立ちません

親御さんにとって、子供から「家の名義、どうなってる?」と聞かれるのは、どうしても「早く死んでほしいのか」という深層心理の反発を招きがちです。

しかし、主語を「国(法律)」に変えるだけで、敵は「子供」ではなく「制度」になります。親子は「制度に対抗するチーム」になれるのです。

具体的には、こんな風に会話を始めてみてください。

「ねえ、スマホのニュースで見たんだけど、2024年から不動産の名義変更が義務化されて、放置すると10万円の罰金になるらしいよ。うちは大丈夫かな? お祖父ちゃんの名義のままの土地とか、心当たりない?」

これなら、あなたは「財産を狙う子供」ではなく、「家計を守ろうとするしっかり者の子供」として映ります。

今は2025年ですので、「猶予期間もあと1年ちょっとしかないみたいだよ」と付け加えれば、より説得力が増します。

放置による「数次相続(ネズミ算式に相続人が増える)」を防ぐ愛

今のうちに登記することは、将来の「親戚トラブル」を未然に防ぐ、家族への最高のプレゼントです。

登記を放置して一番怖いのは、過料(10万円)ではありません。

「数次相続(すうじそうぞく)」という現象です。

例えば、お祖父様の名義のまま放置している間に、お父様が亡くなり、叔父様も亡くなり…となると、その子供(従兄弟同士)や配偶者など、会ったこともない親戚がどんどん相続人に加わっていきます。

こうなると、ハンコをもらう対象が5人、10人とネズミ算式に増え、収拾がつかなくなります。

「あの時やっておけば、ハンコ1つで済んだのに…」

そう後悔するご家族を、私は何組も見てきました。

今、あなたが勇気を出して動き、名義を整理することは、単なる事務手続きではありません。

将来、あなたのお子さんやお孫さんが「顔も知らない親戚」と遺産争いをするリスクを消し去る、深い家族愛のある行動なのです。

よくある質問とその回答(FAQ)

Q1. 疎遠な兄弟がいてハンコがもらえません。罰金になりますか?

事情があって遺産分割協議がまとまらない場合でも、放置すれば過料の対象になる可能性があります。このようなケースのために新設された「相続人申告登記」の利用を強くおすすめします。これは「私は相続人です」と法務局に申し出るだけの簡易的な手続きで、単独で行うことができます。これを行えば義務を履行したとみなされ、当面の罰則を回避できます。まずはこの手続きで期限をクリアし、時間をかけて話し合いを進めましょう。

Q2. 亡くなった父の土地の名義が、実は「祖父のまま」でした。

非常によくあるケースですが、もちろん義務化の対象です。この場合、まず「祖父から父へ」、次に「父からあなたへ」と、数珠つなぎに登記(数次相続)をする必要があります。放置期間が長いほど相続人の数が増え、手続きが複雑化している可能性が高いため、期限(2027年3月)ギリギリになると間に合わない恐れがあります。通常よりも時間がかかることを覚悟して、早急に専門家へ相談することをおすすめします。

Q3. 義務化の通知は法務局から来るのですか?勝手に登記されますか?

原則として、個別に「あなたの登記がまだですよ」という通知が自動的に届くわけではありません(長期間放置され、法務局が職権で調査した場合などを除く)。また、国が勝手に名義を書き換えてくれることもありません。基本的には自主申告制です。「通知が来ていないから大丈夫」と油断していると、ある日突然、裁判所から過料の通知が届くことになりかねませんので、自ら動く必要があります。

Q4. 土地の価値が低く、手放したいのですが国に返せますか?

「相続土地国庫帰属制度」を利用すれば、国に土地を引き取ってもらえる可能性があります。ただし、これには「建物がないこと」「土壌汚染がないこと」などの厳しい条件があり、審査手数料と10年分の管理費(20万円〜)の負担が必要です。また、この制度を利用するための大前提として「相続登記が完了していること」が必要です。いずれにせよ、まずは登記を済ませるのがスタートラインとなります。

Q5. 固定資産税の通知書が届いていれば登記済みですか?

これは最大の誤解です。役所が送ってくる「固定資産税の納税通知書」と、法務局が管理する「不動産登記」は全く別のシステムです。役所は「現に住んでいる人(代表者)」に税金の請求書を送っているだけで、正式な所有者が変更されているとは限りません。登記が完了しているか確実に見分けるには、法務局で「登記事項証明書(登記簿謄本)」を取得して確認する必要があります。

まとめ:罰則回避のためだけでなく、家族の未来のために登記を

まとめ

2024年からの「義務化」は待ったなし

相続登記は「いつかやる」から「必ずやる」手続きに変わりました。不動産の取得を知った日から3年以内に申請を行わないと、最大10万円の過料(ペナルティ)が科される可能性があります。これは国が本気で所有者不明土地問題に取り組んでいる証拠であり、放置するリスクは年々高まっています。

まとめ

過去の相続物件は「2027年3月」がリミット

法改正以前の古い相続案件もすべて義務化の対象です。これらには経過措置として猶予期間が設けられていますが、その期限は「2027年3月31日」までです。現在は2025年12月ですので、残された時間は約1年3ヶ月。書類収集や話し合いにかかる時間を逆算すると、今すぐ動き出さないと間に合わない時期に来ています。

まとめ

費用は「自分なら数千円〜」「プロなら数万円」

かかる費用の正体は「登録免許税(税金)」と「手数料」です。価値の低い土地(100万円以下)なら免税措置で税金が0円になることもあります。司法書士に依頼すれば6万〜10万円程度の報酬がかかりますが、複雑な戸籍収集やミスのない申請を買えると考えれば、決して高い投資ではありません。

まとめ

話がまとまらない時は「相続人申告登記」へ

兄弟間の不仲や行方不明者がいて、3年以内に遺産分割協議が成立しない場合でも、諦めないでください。「相続人申告登記」という新制度を使えば、とりあえず相続人の一人から申し出るだけで義務違反を回避できます。この「逃げ道」を知っているだけで、精神的なプレッシャーは大きく軽減されるはずです。

まとめ

この記事を「家族会議」のきっかけに

親に相続の話を切り出しにくい時は、「義務化で罰金になるらしいよ」と制度のせいにしましょう。相続登記を放置することは、将来子供や孫の世代に「顔も知らない親戚との争い」を残すことと同じです。面倒な手続きを今終わらせることは、家族の絆を守るための、あなたにしかできない最大の親孝行であり、家族愛です。

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