【2025年最新】相続税がかかる?かからない?1分で判定できる境界線


「相続税なんて、ウチみたいなごくごく普通の家庭には関係ないでしょ?」
そう思っていませんか?
わかります、わかります。ドラマに出てくるような大豪邸や、会社のオーナー一族の話…なんて思っちゃいますよね。
でも、もし
「親が実家(持ち家)を持っている」
「親がコツコツ貯金や投資をしている」
なら、実は他人事じゃないかもしれません。
「相続税がかかるか、かからないか」。その境界線、気になりませんか?
まるで、健康診断で「ちょっと血圧高めですね」と言われ始めたアラフォー世代のように、ジワジワと忍び寄る影…。
「え、じゃあウチは?」
「計算とか面倒くさいのは嫌!」
そんなあなたのモヤモヤを解消するために、この記事では【2025年最新情報】に基づき、たった1分で「かかる・かからない」の境界線がわかる一覧表をご用意しました。
難しい計算は後回し!まずは「ウチのボーダーライン」をサクッと確認して、スッキリしましょう。もし境界線を超えそうでも、大丈夫。ちゃんと対策もありますから、安心してくださいね。
【1分判定】相続税がかかる境界線はここ!家族構成別「基礎控除額」早見表
さっそく結論からまいりましょう。
相続税がかかる・かからないの境界線(ボーダーライン)は、国が定めた「基礎控除額」という非課税枠で決まります。
相続する財産の総額が、この「基礎控除額」よりも少なければ相続税はゼロ。申告も原則不要です。
逆に、基礎控除額を超えた分に対して、相続税がかかってきます。



「じゃあ、その基礎控除額っていくらなの?」
ここが一番知りたいところですよね。
相続税の「境界線」= 基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)
この計算式、見たことがあるかもしれません。
相続税の基礎控除額は、「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」という式で計算されます。
ポイントは、「法定相続人(ほうていそうぞくにん)」の数によって、非課税枠(境界線)が変わること。法定相続人とは、法律で定められた遺産を相続できる権利のある人(基本的には配偶者や子、親など)のことです。
この「法定相続人の数」には、相続を放棄した人も含めてカウントします。
カンタンに言えば、相続する権利のある人が多いほど、非課税枠も大きくなる(=相続税がかかりにくくなる)ということです。
とはいえ、いきなり「法定相続人は…」と言われてもピンとこないですよね。
そこで、よくある家族構成パターン別の「境界線」を一覧表にまとめました!
[2025年最新]あなたの家族構成は?基礎控除額(境界線)一覧表
あなたの「家族構成」と「基礎控除額(境界線)」を照らし合わせてみてください。
(※「配偶者」は常に法定相続人になります。「子」がいない場合は「親」が、「親」もいない場合は「兄弟姉妹」が法定相続人になります)
| 法定相続人(家族構成の例) | 計算式 | 基礎控除額(境界線) |
| 1人(例:配偶者のみ / 子1人) | 3,000万円 + (600万円 × 1人) | 3,600万円 |
| 2人(例:配偶者と子1人 / 子2人) | 3,000万円 + (600万円 × 2人) | 4,200万円 |
| 3人(例:配偶者と子2人 / 子3人) | 3,000万円 + (600万円 × 3人) | 4,800万円 |
| 4人(例:配偶者と子3人 / 子4人) | 3,000万円 + (600万円 × 4人) | 5,400万円 |
| 5人(例:配偶者と子4人 / 子5人) | 3,000万円 + (600万円 × 5人) | 6,000万円 |
いかがでしょう?
例えば、お父様が亡くなり、相続人が「お母様と、子である自分」の計2人なら、境界線は4,200万円となります。
「なるほど、ウチの境界線は4,200万円か。じゃあ、次は何を?」
そう、次に気になるのは「じゃあ、ウチの財産はいくらなの?」ということですよね。
ここで税理士さんのように「土地の路線価を調べて、預貯金の残高証明を取って…」とやると、それだけで1日が終わってしまいます。
まずは、タイトル通り「1分」で、ざっくり判定してみましょう。
【1分判定・実践編】あなたは大丈夫?「相続財産ざっくりチェックリスト」
これから挙げる7つの質問に「はい」「いいえ」で答えてみてください。
これは、ご両親(または財産を残す方)の状況を思い浮かべながらチェックするのがコツです。
Q1. 持ち家(土地・建物)がある?
(※特に東京・大阪・名古屋などの都市部や、駅近など立地が良い場所にある)
Q2. 預貯金やタンス預金が、合計1,000万円以上ありそう?
Q3. 生命保険(死亡保険金)に入っている?
(※保険金も「みなし相続財産」として課税対象になります)
Q4. 株、投資信託、国債などを持っている?
Q5. 駐車場やアパートなど、不動産収入がある?
Q6. (亡くなる前7年以内に)まとまった額の生前贈与を受けたことがある?
(※2024年の改正で、この期間が「3年→7年」に延長されました)
Q7. 退職金(死亡退職金)がまとまって入る予定(または入った)?
- 「はい」が0~1個 の方:
基礎控除額の境界線を下回る可能性が高いです。ひとまずご安心を。 - 「はい」が2~3個 の方:
境界線ギリギリ、または超える可能性があります。要注意です! - 「はい」が4個以上 の方:
境界線を(おそらく)超えます。相続税がかかる可能性が「高」です。すぐに次の章を読み進めてください。
どうでしたか?
「え、生命保険も?」「昔もらった贈与も?」と驚かれたかもしれません。
そうなんです。相続税の計算対象となる「財産」は、私たちが思っているよりずっと範囲が広いのです。
次の章では、なぜ「ウチは大丈夫」という思い込みが危険なのか、その理由を詳しく解説していきます。
なぜ「ウチは大丈夫」が危険?相続税のリアルとよくある勘違い
先ほどのチェックリストで「はい」が2つ以上つき、「え、なんで?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
「ウチは大丈夫」と思っているご家庭ほど、実はキケンな「勘違い」をしているケースが非常に多いのです。ここからは、相続税の判定を間違えやすい、代表的な3つの勘違いを解き明かしていきます。
勘違い1:「財産=預貯金」だと思っている(不動産、生命保険も対象!)
相続税の話になると、多くの方が「親の預貯金、いくらあるかな?」と、銀行の通帳だけをイメージされます。しかし、税務署が見ている「財産」は、それだけではありません。
相続税の対象となる財産(ほんの一例です)
- 預貯金: 普通預金、定期預金、タンス預金(!)も含まれます。
- 不動産: 実家の土地、建物、マンション、駐車場、畑など。
- 有価証券: 株式、投資信託、国債など。
- 生命保険金: 死亡保険金(※これがクセモノです)。
- その他: 車、ゴルフ会員権、貴金属、貸付金など。
特に注意したいのが「生命保険金(死亡保険金)」です。
「え、保険金って、受取人(例えば妻や子)がもらう固有のお金でしょ?相続財産じゃないじゃん!」
その通り。民法上は相続財産ではありません。
ですが、相続税法の上では「みなし相続財産」と呼ばれ、亡くなった方(被相続人)の財産とみなして、相続税の計算対象にガッツリ含まれてしまうのです。
まるで、飲み会では「今日は俺のおごり!」と言っていた上司が、翌日「昨日のあれ、一応みんなから集めるから」と言い出すようなもの…ちょっと違いますね(笑)。
要は、「亡くなったことがキッカケでもらえたお金」は、税務署的に「財産ゲットだぜ!」と見なされるわけです。
ただし、生命保険金には「500万円 × 法定相続人の数」という強力な非課税枠があります。
例えば相続人が3人(妻、子2人)なら、1,500万円までは非課税です。これは国が「残された家族の生活費に充ててね」と用意してくれた優遇措置なので、生命保険は「納税資金対策」や「財産を(非課税で)渡す」手段として非常に有効なのです。
勘違い2:「実家は古いから価値がない」と思っている(路線価の罠)
「ウチの実家、建物はもうボロボロだし、売っても二束三文だよ」
これも、本当によく聞く言葉です。
確かに、建物の価値は年数とともに下がっていきます(固定資産税評価額)。
しかし、相続税で最も大きなウエイトを占めるのは、「建物」ではなく「土地」です。
そして、相続税を計算するときの土地の評価額は、私たちが普段目にする「売買価格(実勢価格)」や「固定資産税評価額」とは、また別の基準を使います。
それが「相続税路線価(そうぞくぜいろせんか)」です。
路線価とは?
国税庁が毎年7月頃に発表する「その道路に面した土地1平方メートルあたりの価格」のこと。主に相続税や贈与税の計算に使われます。
ここで恐ろしいのが、「親が買った時の値段は安かったのに、路線価で見たらメチャクチャ高くなっていた」というケース。
特にバブル期より前に購入した土地や、都市部、主要駅の近くにある土地は、ご本人が思っている「感覚的な価値」と、相続税計算上の「路線価」が、天と地ほど違うことがあります。
「固定資産税の通知書では大した額じゃないから」と安心していたら、いざ路線価で計算したら「え、実家の土地だけで基礎控除額超えそう…」なんてことも珍しくありません。
勘違い3:2024年改正(2025年以降の相続に影響)でどう変わった?「生前贈与」のルール変更点
「相続税がヤバそうだから、元気なうちに『生前贈与』で財産を移しておけばいいんでしょ?」
この対策、今までは非常に有効でした。しかし、2024年1月1日からのルール改正(2025年以降の相続にも大きく影響)で、この「駆け込み贈与」が難しくなっています。
カンタンに言うと、
「亡くなる直前に慌てて贈与しても、それは相続財産に足し戻して計算しますよ!」
というルールのことです。これを「生前贈与の持ち戻し」と言います。
- 改正前(~2023年): 亡くなる前3年以内の贈与が対象
- 改正後(2024年~): 亡くなる前7年以内の贈与が対象
そう、持ち戻し期間が3年から7年に、まさかの倍以上に延長されたのです。
(※ちなみに、2024年~2027年までは段階的な移行期間ですが、2031年以降の相続では完全に「7年」が適用されます)
昔の恋人との思い出を7年間引きずるくらい(?)税務署はさかのぼってチェックする、ということです。「昔あげたアレ、ちょっとカウントさせてもらうね」と。
これにより、「ちょっとヤバそうだから今のうちに…」という対策が、より計画的に、もっと早くから始めないと間に合わなくなりました。
これらの「勘違い」が、あなたの「ウチは大丈夫」という安心感を揺るがしたかもしれません。
では、チェックリストで「はい」が多かったり、境界線ギリギリだと感じたりした場合、具体的に何をすればいいのでしょうか?
次の章で、今すぐやるべき3つのステップを解説します。
境界線ギリギリ…「相続税、かかるかも?」と思ったら今すぐやるべき3つのこと
最初のチェックリストで「はい」が複数ついた方。
「勘違い」にドキッとした方。
「ウチ、境界線ギリギリかも…」「もしかして、超えてる?」
そう感じたら、不安になってしまいますよね。でも、大丈夫です。
相続税は、「知っているか、知らないか」、そして「準備したか、しなかったか」で、納税額が数百万、数千万円単位で変わる世界です。
もし「かかるかも?」と思ったら、慌てて税務署に駆け込む必要はありません。まずご家庭でやるべき3つのステップをご紹介します。
ステップ1:「何が」「いくら」あるか把握する(財産目録の簡易版)
相続対策の第一歩は、敵を知ること…ではなく、「財産を知る」ことです。
税理士さんが作るような完璧な「財産目録」である必要はありません。まずは「ざっくり」でいいので、全体像を把握しましょう。
理想は、ご両親が元気なうちに、親子で一緒に「財産の棚卸し」をすることです。
- 不動産: 実家の土地・建物(固定資産税の納税通知書があれば、それが評価額の目安になります)
- 預貯金: どこの銀行に、だいたい、いくらあるか?(通帳のありかだけでも確認を)
- 生命保険: どこの保険会社で、死亡保険金はいくらか?(保険証券のありかを確認)
- 有価証券: 株や投資信託はあるか?(証券会社からの郵便物などで確認)
- マイナスの財産: 住宅ローンや借入金は残っているか?
これを親子で話すのは、なかなかハードルが高いですよね。
「いきなりお金の話なんて、縁起でもない!」
「財産目当てだと思われるんじゃ…」
そんな時は、「最近、友達が親の相続で大変だったみたいでさ…」「銀行で『相続』ってポスター見たんだけど、ウチって何か準備してる?」と、第三者の話や一般的な話題として切り出すのがスムーズです。
この「棚卸し」さえできれば、ステップ1はクリア。次のステップに進めます。
ステップ2:特例で税額ゼロも?(小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減)
ステップ1で「やっぱり、基礎控除額(境界線)を超えてる!」とわかっても、落ち込むのはまだ早いです。
相続税には、一定の条件を満たせば税金を大幅に安くできる、強力な「特例(必殺ワザ)」が用意されています。
特に影響が大きい、2つの特例を知っておきましょう。
これは、相続税対策における「伝家の宝刀」です。
カンタンに言うと、「亡くなった方(親)が住んでいた実家の土地(330㎡まで)は、評価額を80%オフにしますよ!」という、とんでもない割引制度です。
例えば、5,000万円の価値がある土地も、この特例が使えれば1,000万円(80%オフ)として計算できます。これだけで財産総額が4,000万円も減り、一気に基礎控除額を下回る(=相続税ゼロ)ことも珍しくありません。
ただし!
この特例を使うには、「同居していたか」「持ち家がなかったか」など、非常に細かく厳しい条件があります。この条件を知らずに「親が亡くなったから実家を売ろう」と動くと、特例が使えず莫大な税金を払うハメになるケースも…。
これは、残された配偶者(夫から見れば妻、妻から見れば夫)のための制度です。
「配偶者が相続した財産は、最低でも『1億6,000万円』までは相続税がかかりません」というものです。
「じゃあ、全部お母さん(配偶者)が相続すれば、税金ゼロで万々歳だ!」
…と思いがちですが、ここに落とし穴があります。
今回(一次相続)は良くても、そのお母様が亡くなった時(二次相続)に、相続人が「子」だけになると、この強力な特例が使えません。財産が集中した結果、二次相続で子供たちが払う相続税が、トータルで見て大損になるケースが非常に多いのです。
ステップ3:早めの「対策」が節税のカギ(生前贈与、生命保険活用)
ステップ1で財産を把握し、ステップ2の特例を使っても「まだ境界線を超える…」という場合。
ここからが「相続対策(生前対策)」の出番です。
財産を「減らす」か「評価額を下げる」か「納税資金を用意する」か。
代表的な2つの対策をご紹介します。
前の章で「7年持ち戻し」ルールの話をしましたが、それでも生前贈与は有効な手段です。
贈与税には「年間110万円」の非課税枠があり、この枠内でコツコツと(例えば、子や孫に)財産を移していく方法です。
「7年」ルールが厳しくなったからこそ、「もっと早くから、計画的に」始める必要があります。まるで、夏休みの宿題を最終日に慌ててやるのではなく、7月からコツコツ進めておく感覚ですね。
これは、相続に強いFPの私たちが最も得意とする分野の一つです。
生命保険は、単に「万が一の備え」だけではありません。相続対策において、最強のツールの一つになります。
- 「非課税枠」で財産を渡せる:
前の章でも触れましたが、「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠があります。預貯金で「現金」として1,500万円残す(相続税対象)より、生命保険で「保険金」として1,500万円残す(非課税枠内なら相続税ゼロ)ほうが、断然おトクです。 - 「納税資金」を確実に用意できる:
相続税は、原則「現金一括払い」です。財産が「実家の不動産」ばかりだと、税金を払う現金がなく、泣く泣く実家を売却…という事態に。生命保険金なら、受取人が「現金」で受け取れるため、そのまま納税資金に充てられます。 - 「争族」を防止できる:
遺産分割協議(誰が何を相続するかの話し合い)が終わらなくても、保険金は受取人が単独で請求できます。「このお金は長男に」と指定できるため、財産分けで揉めるのを防ぐ効果もあります。
これらの対策は、どれもご家庭の状況によって「合う・合わない」が全く異なります。
「ウチの場合はどうなんだろう?」
そう思ったら、専門家に相談するタイミングです。
相続税のことは「相続に強いFP」になぜ相談すべき?税理士との違いは?
ステップ1~3を読んで、「ウチ、やっぱり対策が必要かも…」「でも、特例とか複雑でよくわからない」と感じた方もいらっしゃるでしょう。
そうなると、次に悩むのが「で、これって『誰』に相談すればいいの?」という問題です。
「相続=税金」だから、真っ先に「税理士さん」が思い浮かびますよね。
でも、いきなり税理士事務所のドアを叩くのは、なんだか敷居が高くありませんか?
「こんな初歩的なことを聞いていいんだろうか…」
「相談した瞬間に高額な費用を請求されたらどうしよう…」
その感覚、よくわかります。
実は、相続の相談は「どのタイミングで」「何を相談したいか」によって、最適な専門家が異なります。
税理士は「過去の精算(申告)」のプロ
税理士の先生方は、その名の通り「税務」のプロフェッショナルです。
相続において彼らが最も力を発揮するのは、「相続が発生した後(亡くなった後)」です。
- 複雑な財産評価(特に非上場株式や難しい土地評価)
- 正確な相続税の計算
- 税務署への「相続税申告書」の作成・提出
これらは、税理士にしかできない独占業務であり、まさに「過去の精算(申告と納税)」を正確無比に行う専門家です。
例えるなら、病気が確定して「手術」が必要になったときに頼る、凄腕の外科医のような存在です。
私たちFPは「未来の準備(対策・納税資金)」のプロ
一方で、私たちファイナンシャルプランナー(FP)、特に「相続に強いFP」の役割は、まったく異なります。
私たちが得意とするのは、「相続が発生する前(元気なうち)」の段階です。
- 「そもそも相続税がかかる?かからない?」の境界線判定
- ご家庭の状況に合わせた生前対策(生前贈与、保険活用)プランニング
- 万が一の時の「納税資金」の準備
- 「争族」を避けるための財産の分け方アドバイス
私たちは、いわば「未来の準備(対策)」をお手伝いする専門家。
先ほどの例えで言えば、「そもそも病気にならないための健康診断」「生活習慣のアドバイス」「万が一の時のための保険(備え)を一緒に考える」といった、かかりつけ医や予防医療のアドバイザーに近い存在です。
特に、ステップ3でご紹介した「生命保険の活用」は、私たち保険代理店に所属するFPが最も得意とする分野です。税理士の先生方はほとんどの場合保険の販売は行わないので、具体的な保険商品を使った対策はFPの独壇場となります。
まずは「かかる・かからない」の判定からお気軽に
「ウチの境界線は?」「何から始めればいい?」
そんなモヤモヤした段階で、いきなり「外科医(税理士)」のところへ行く必要はありません。
まずは、私たち「かかりつけ医(相続に強いFP)」に、健康診断を受けるつもりでご相談ください。
私たちは「親子で備える相続準備ナビ」として、難しいお金の話を、親子で前向きに話せるキッカケを作ることが使命だと思っています。
「まだ相続対策は早いかな?」なんてことは一切ありません。
次の章で、よくいただくご質問にお答えしていきますね。
【相続税の境界線】よくある質問(FAQ)
Q1. 借金やローンも相続財産になりますか?
はい、相続財産には預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金、住宅ローン、未払金といった「マイナスの財産(債務)」もすべて含まれます。相続税を計算する際は、プラスの財産総額から、これらのマイナスの財産を差し引いた金額が課税対象となります。もし明らかにマイナスの財産が多い場合は、相続放棄を検討する必要もあります。
Q2. 死亡退職金も相続税の対象ですか?
はい、死亡保険金(生命保険金)と同じく「みなし相続財産」として、相続税の課税対象となります。ただし、死亡退職金にも独自の非課税枠が設けられています。非課税枠は「500万円 × 法定相続人の数」で計算され、この非課税枠を超えた金額だけが、他の相続財産と合算されて課税対象としてカウントされます。
Q3. 相続税の申告はいつまでに必要ですか?
相続税の申告と納税には厳格な期限があります。原則として、「相続の開始があったことを知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内」に、亡くなった方の最後の住所地を管轄する税務署に行う必要があります。特例を使う場合も申告は必須です。この期限を過ぎると延滞税などのペナルティが発生するため、十分な注意が必要です。
Q4. 基礎控除額(境界線)は今後変わる可能性はありますか?
可能性は常にあります。2015年に基礎控除額は大幅に引き下げられ(増税となり)、課税対象者が増えました。国の財政状況や社会情勢の変化に応じて、この基礎控除額が将来的にさらに引き下げられる(増税)、あるいは引き上げられる(減税)可能性は常に議論されています。だからこそ、最新の情報をチェックし、「今のルール」で早めに現状を把握しておくことが重要です。
Q5. 相続税対策は、親が元気なうちから始めても早すぎませんか?
まったく早すぎることはありません。むしろ、ご両親が元気で、ご自身の意思を明確に伝えられるうち(例えば認知症などで判断能力が低下する前)に始めるのがベストです。生前贈与は7年ルール改正により時間がかかりますし、生命保険の加入も健康状態が問われます。何より、親子で財産についてオープンに話し合っておくことこそが、将来の無用なトラブル(争族)を防ぐ最大のカギになります。
まとめ:相続税の境界線を知ることから「安心」が始まります
最後に、この記事でお伝えした重要なポイントを5つにまとめます。
相続税がかかるかのボーダーラインは、この計算式で決まる「基礎控除額」です。まずはご自身の家族構成で「ウチの非課税枠はいくらか」を把握することが第一歩です。例えば、相続人が配偶者と子1人の計2人なら、境界線は4,200万円となります。
相続税の対象は、預貯金や現金だけではありません。実家の土地・建物、株式、そして「みなし相続財産」である生命保険金や死亡退職金も含まれます。これらを見落としていると「大丈夫」という判断を誤るため、財産は広く捉える必要があります。
「古い家だから価値がない」は危険な勘違いです。相続税の計算で使う「路線価」は、都市部や駅近の場合、想像以上に高額になることがあります。この土地の評価額だけで基礎控除額を超えてしまうケースは、相続税がかかるご家庭の典型的なパターンです。
もし境界線を超えても、慌てる必要はありません。「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」といった強力な特例で、税額がゼロになることもあります。また、元気なうちから生前贈与や生命保険を活用した対策を行うことで、納税額を大きく減らせます。
相続税の申告(過去の精算)は税理士ですが、「ウチはかかる?」「何を準備すべき?」といった「未来の準備」は、私たち相続に強いFPの得意分野です。特に保険を活用した納税資金対策や「争族」防止は、かかりつけ医のように気軽にご相談ください。